イスラム

ムスリムの一日と一年に必要な道具をまとめました。位置情報はブラウザ内で計算に使うだけで、保存も送信もしません。

6個のツール

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天文計算と宗教的判断は別の層

礼拝の時刻、キブラの方角、ヒジュラ暦の日付は、いずれも天文計算で求めます。太陽の高度と方位、地球楕円体上の大円方位角、月の朔望周期がその材料です。この層では答えは一つです。

しかし、その計算をどの基準で行うかは宗教的判断の領域であり、ここで学派や機関によって値が分かれます。ここのツールは計算のみを行い、判断はしません。代わりに、どの基準を選んだかを常に表示します。

礼拝時刻がアプリごとに違う理由

最大の分岐はファジュルとイシャーの基準角です。両者は太陽が地平線下何度にあるかで定義され、その角度をムスリム世界連盟、エジプト調査局、ウンム・アルクラー、ISNA、カラチ大学がそれぞれ別に定めています。同じ場所でもファジュルが二十分以上ずれることがあります。

アスルは学派で分かれます。物体の影が本来の長さの一倍になった時とするのが多数派、二倍とするのがハナフィー学派です。これだけでアスルが一時間近く動くことがあります。

高緯度地域はさらに難しくなります。夏には太陽が基準角より下がらず、ファジュルやイシャーが存在しない日が生じます。最も近い緯度の時刻を使う、夜を一定比率で分けるといった補正規則が用いられますが、これも機関ごとに異なります。

キブラは直線ではなく大円方位

地球はほぼ球であるため、二点間の最短経路は平面地図上の直線ではなく大円です。そのためメッカへの方向は地図上では南西に見えても、実際の大円方位は西北西寄りになります。

この差は距離が伸びるほど大きくなります。平面地図の直線方向をそのまま使うと、遠い地点ほど大きく外れます。

端末の方位磁針を使う際は磁北と真北の差(偏角)を考慮してください。偏角は場所によって異なり、時間とともに少しずつ変化します。また屋内の金属やスピーカー、電子機器が計測を乱すため、屋外で確認し直すほうが正確です。

ヒジュラ暦に計算式と観測式がある理由

ヒジュラ暦は純太陰暦で、一か月は 29 日か 30 日です。どちらになるかは新月が見えるかで決まり、二つの方法があります。天文計算で事前に定める方式と、実際に観測して宣言する方式です。

そのためラマダーンの開始日が国によって一日ずれることがあります。これは誤りではなく、観測に基づく方式の構造的な帰結です。

ここの変換器は広く使われている計算式のヒジュラ暦を用います。宗教的義務に関わる日付は、居住地の権威ある発表に従ってください。計算値は予定を先に組むために有用で、確定はそちらです。

ザカート計算で決めるべきこと

骨組みは単純です。ニサーブ(基準額)を超える資産に対し、定められた割合を納めます。複雑になるのは何を対象資産と数えるかからです。

ニサーブ自体が金基準か銀基準かで金額が大きく変わります(銀基準は低く、対象となる人が増えます)。さらにハウル(一年の保有期間)の起算日、負債をどこまで控除するか、事業在庫や売掛金の扱い、年金や投資資産の評価時点などが判断を要します。

計算機はこれらの選択肢を示し、それに従って計算するだけです。自分の状況にどの基準が合うかは、信頼する学者や機関に確認してください。

位置情報と個人情報

礼拝時刻とキブラには正確な位置が必要です。ブラウザの位置情報の許可を用いますが、座標は計算にのみ使われ、送信も保存もしません。許可を与えたくない場合は都市を選ぶ方法もあります。

ザカート計算で入力する資産額も同様にブラウザ内でのみ処理されます。会員登録がないため、どの値も個人と結び付きません。

これらのツールがしないこと

宗教的裁定を下さず、どの学派や機関が正しいかも定めません。行うのは選ばれた基準に基づく計算を透明に示すことまでです。

義務の履行や例外(旅行、病気、高緯度地域での断食など)の判断は、資格ある学者に確認してください。