イスラム礼拝時間

現在地の緯度経度から1日5回の礼拝時間を計算し、次の礼拝までの残り時間を表示します。計算方式(MWL・ISNAなど)とマズハブを選べます。

使い方

  1. 位置情報を許可するか、都市を選びます。
  2. 5回の礼拝時刻と次の礼拝までの残り時間が出ます。
  3. 計算方式(マズハブ・角度)を必要に応じて調整します。

詳しく知る

5つの礼拝時刻は太陽の位置で決まります

ファジュル(Fajr)は夜明け前の礼拝です。空がわずかに白み始める「天文薄明」の開始から、日の出の直前までが時間帯になります。

ズフル(Dhuhr)は正午の礼拝で、太陽がその日の最高点(南中)を通過した直後から始まります。

アスル(Asr)は午後の礼拝です。物体の影が定められた倍数の長さに達した時点で入ります。

マグリブ(Maghrib)は日没の礼拝です。太陽の輪郭が地平線の下に完全に沈んだ直後から始まります。

イシャー(Isha)は夜の礼拝で、夕方の薄明が消え、空が暗くなってからの時間帯にあたります。

つまり5つの時刻はすべて緯度・経度・日付の関数です。同じ都市であっても季節の進行にともなって毎日数分ずつ動き、夏至と冬至では1時間以上ずれることも珍しくありません。

計算方式(MWL・ISNA・ウンム・アルクラー)の違い

ファジュルとイシャーは「薄明がどの程度か」を太陽の伏角(地平線より下に何度沈んだか)で定義しますが、その角度を各機関が別々に定めてきました。だから同じ場所でも採用する方式によって時刻が変わります。

MWL(ムスリム世界連盟)はファジュル18度、イシャー17度。世界でもっとも広く使われている基準です。

ISNA(北米イスラーム協会)は15度/15度で、北米の高緯度地域で時刻が極端に離れてしまうのを避けるため、意図的に低い角度を採用しています。

ウンム・アルクラー(Umm al-Qura)はファジュル18.5度、イシャーは角度ではなくマグリブの90分後(ラマダーン中は120分後)と固定します。サウジアラビアの公式基準です。

エジプト測量庁は19.5度/17.5度を採用しています。

この違いは実用上無視できません。同じ都市でも機関によってファジュルが20分以上ずれることがあります。自分が属する共同体や、普段通うモスクが採用している基準を選んでください。

アスルの時刻はマズハブ(法学派)で変わります

アスルは影の長さで定義されます。正午に物体が作る最小の影を基準として、影がさらに「物体の長さのN倍」だけ伸びた時点が入りの時刻です。

標準(シャーフィイー派・マーリク派・ハンバル派) — 倍数は1。影が物体の長さと同じだけ伸びたときに入ります。

ハナフィー派 — 倍数は2。影が2倍になった時点なので、標準より遅くなります。季節によって30〜60分の差が出ます。

どちらも正統な解釈で、優劣を競うものではありません。自分が従う学派を設定で選んでください。地元のモスクの時刻表と数十分ずれている場合は、まずこの設定を疑うと解決することが多いです。

高緯度地域では計算そのものが成立しません

緯度およそ48度を超えると、夏のあいだ太陽が必要な伏角まで沈みません。薄明が一晩中続くため、ファジュルとイシャーの時刻が計算上「存在しなく」なってしまいます。

北欧、カナダ北部、ロシアでは実際に起きる問題で、これに対処するための補正規則がいくつか使われています。

夜の中間(Middle of the Night)は、マグリブからファジュルまでの間隔を半分に割り、その点をイシャーの基準とします。

夜の7分の1(Seventh of the Night)は、夜全体を7等分して各礼拝に配分する方法です。

角度基準(Angle-based)は、計算が成立する緯度(およそ45度)のパターンを借りてきて当てはめます。

これは計算の限界であって誤りではありません。どの規則を採るかは法学的な判断を含むので、その地域のイスラーム機関が示す指針に従うのが適切です。

位置情報の精度はどこまで必要か

端末のGPS(位置情報を許可した場合)を使うか、都市名を検索して手動で指定できます。どちらでも計算の中身は同じです。

求められる精度は思ったより緩やかです。 経度1度(およそ80キロメートル)の移動が時刻を約4分動かします。同じ市内での数キロメートルの誤差は1分にも満たないので、神経質になる必要はありません。

一方、緯度のほうは季節による影響が大きく出ます。南北方向に大きく移動したときは位置を取り直してください。

計算はすべてブラウザの中で完結します。 位置情報がサーバーへ送信されることはなく、一度開いたページはインターネットが切れても計算を続けます。

地元のモスクの時刻表と数分ずれるとき

天文計算そのものは精密ですが、モスクが掲示している公式の時刻と数分違うことがあります。

理由はいくつもあります。モスクが別の計算方式を採っている、安全のために数分の余裕(イフティヤート)を足している、地域の慣行に合わせて分を切り上げている、といったものです。

礼拝の時刻のように間違えてはいけないことについては、このツールを補助として使い、基準は自分が通うモスクの時刻表に置いてください。特にラマダーンの断食開始と終了の時刻は、地域の公式発表を優先してください。

日本で礼拝時間を調べるときの注意

日本の緯度は北海道の稚内でも約45度なので、前項の高緯度補正が必要になる場面はほとんどありません。通常の角度基準の計算がそのまま使えます。

ただし日本は東西に長いのに標準時が一つ(日本標準時、東経135度基準)です。そのため同じ時刻表を全国で使うことはできません。東京と福岡では日の出・日の入りが30分近く違い、マグリブの時刻もそれだけずれます。必ず自分の都市を指定してください。

国内のモスクは団体によって採用する計算方式が分かれています。東京ジャーミイ、神戸ムスリムモスク、名古屋モスクなどが公開している時刻表を確認し、同じ方式を設定に合わせると表示が一致しやすくなります。

旅行や出張で移動したときは、到着地で位置を取り直すだけで再計算されます。金曜礼拝(ジュムア)の開始時刻はモスクごとの運用で決まるため、ズフルの時刻とは別に各モスクへ確認してください。

よくある質問

計算方式は選べますか?

はい。地域ごとの一般的な基準角度とアサルの判定方式を選べます。地元のモスクの時刻に合わせて調整してください。

位置情報は保存されますか?

いいえ。時刻の計算にその場で使うだけで、保存も送信もしません。

地元の時刻表と数分ずれるのはなぜ?

基準角度や高度の扱い、端数の切り上げ方が異なるためです。方式を合わせると近づきます。

計算方法と出典

このツールが何を根拠に計算し、どこまで答えられるかを明示します。

このツールの位置づけ
太陽の位置から計算した時刻です。法的判断ではなく、あなたのモスクの時刻表でもありません — 両者が異なる場合は現地の機関に従ってください。
計算式
緯度・経度・日付から太陽の位置をすべてブラウザ内で計算します。ズフルは太陽の南中、マグリブは日没に従い、ファジュルとイシャーはあなたが選んだ計算法(MWL・ISNA・ウンム・アルクラーなど)の薄明角で定まります。アスルはマズハブの影の長さの規則に従います — シャーフィイー派は南中の影に物体の長さ一つ分を加え、ハナフィー派は二つ分を加えます。
計算例
1メートルの棒が南中に0.5メートルの影を作るなら、シャーフィイー派の規則ではアスルは影が1.5メートルになったとき、ハナフィー派では2.5メートルになったときに始まります — 午後のより遅い時刻です。
限界
  • 計算法とマズハブが答えを変えます。 広く使われるファジュル・イシャーの角度は約15°から19°の間で、アスルはシャーフィイー派とハナフィー派で異なります。印刷された時刻表と比べる前に両方の設定を合わせてください。
  • 高緯度では計算が成立しません。 夏に薄明が終わらない場所では、角度で定義されるファジュルやイシャーが存在しません。その際に共同体が用いる代替規則を、このページが選ぶことはありません。
  • 数学的な地平線を用います。標高・山・高い建物が実際の日の出と日没を数分動かします。
  • 位置は端末か都市検索から来ます。ネットワーク測位は数キロずれることがあり、都市単位の検索はあなたのいる場所ではなくその都市の中心を用います。
  • 地域の慣行を重ねる層がありません。多くのモスクはファジュルやイシャーに数分を余裕として加えますが、それはどの計算でも再現できません。
出典
基準日
最終確認日

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