現在地の緯度経度から1日5回の礼拝時間を計算し、次の礼拝までの残り時間を表示します。計算方式(MWL・ISNAなど)とマズハブを選べます。
ファジュル(Fajr)は夜明け前の礼拝です。空がわずかに白み始める「天文薄明」の開始から、日の出の直前までが時間帯になります。
ズフル(Dhuhr)は正午の礼拝で、太陽がその日の最高点(南中)を通過した直後から始まります。
アスル(Asr)は午後の礼拝です。物体の影が定められた倍数の長さに達した時点で入ります。
マグリブ(Maghrib)は日没の礼拝です。太陽の輪郭が地平線の下に完全に沈んだ直後から始まります。
イシャー(Isha)は夜の礼拝で、夕方の薄明が消え、空が暗くなってからの時間帯にあたります。
つまり5つの時刻はすべて緯度・経度・日付の関数です。同じ都市であっても季節の進行にともなって毎日数分ずつ動き、夏至と冬至では1時間以上ずれることも珍しくありません。
ファジュルとイシャーは「薄明がどの程度か」を太陽の伏角(地平線より下に何度沈んだか)で定義しますが、その角度を各機関が別々に定めてきました。だから同じ場所でも採用する方式によって時刻が変わります。
MWL(ムスリム世界連盟)はファジュル18度、イシャー17度。世界でもっとも広く使われている基準です。
ISNA(北米イスラーム協会)は15度/15度で、北米の高緯度地域で時刻が極端に離れてしまうのを避けるため、意図的に低い角度を採用しています。
ウンム・アルクラー(Umm al-Qura)はファジュル18.5度、イシャーは角度ではなくマグリブの90分後(ラマダーン中は120分後)と固定します。サウジアラビアの公式基準です。
エジプト測量庁は19.5度/17.5度を採用しています。
この違いは実用上無視できません。同じ都市でも機関によってファジュルが20分以上ずれることがあります。自分が属する共同体や、普段通うモスクが採用している基準を選んでください。
アスルは影の長さで定義されます。正午に物体が作る最小の影を基準として、影がさらに「物体の長さのN倍」だけ伸びた時点が入りの時刻です。
標準(シャーフィイー派・マーリク派・ハンバル派) — 倍数は1。影が物体の長さと同じだけ伸びたときに入ります。
ハナフィー派 — 倍数は2。影が2倍になった時点なので、標準より遅くなります。季節によって30〜60分の差が出ます。
どちらも正統な解釈で、優劣を競うものではありません。自分が従う学派を設定で選んでください。地元のモスクの時刻表と数十分ずれている場合は、まずこの設定を疑うと解決することが多いです。
緯度およそ48度を超えると、夏のあいだ太陽が必要な伏角まで沈みません。薄明が一晩中続くため、ファジュルとイシャーの時刻が計算上「存在しなく」なってしまいます。
北欧、カナダ北部、ロシアでは実際に起きる問題で、これに対処するための補正規則がいくつか使われています。
夜の中間(Middle of the Night)は、マグリブからファジュルまでの間隔を半分に割り、その点をイシャーの基準とします。
夜の7分の1(Seventh of the Night)は、夜全体を7等分して各礼拝に配分する方法です。
角度基準(Angle-based)は、計算が成立する緯度(およそ45度)のパターンを借りてきて当てはめます。
これは計算の限界であって誤りではありません。どの規則を採るかは法学的な判断を含むので、その地域のイスラーム機関が示す指針に従うのが適切です。
端末のGPS(位置情報を許可した場合)を使うか、都市名を検索して手動で指定できます。どちらでも計算の中身は同じです。
求められる精度は思ったより緩やかです。 経度1度(およそ80キロメートル)の移動が時刻を約4分動かします。同じ市内での数キロメートルの誤差は1分にも満たないので、神経質になる必要はありません。
一方、緯度のほうは季節による影響が大きく出ます。南北方向に大きく移動したときは位置を取り直してください。
計算はすべてブラウザの中で完結します。 位置情報がサーバーへ送信されることはなく、一度開いたページはインターネットが切れても計算を続けます。
天文計算そのものは精密ですが、モスクが掲示している公式の時刻と数分違うことがあります。
理由はいくつもあります。モスクが別の計算方式を採っている、安全のために数分の余裕(イフティヤート)を足している、地域の慣行に合わせて分を切り上げている、といったものです。
礼拝の時刻のように間違えてはいけないことについては、このツールを補助として使い、基準は自分が通うモスクの時刻表に置いてください。特にラマダーンの断食開始と終了の時刻は、地域の公式発表を優先してください。
日本の緯度は北海道の稚内でも約45度なので、前項の高緯度補正が必要になる場面はほとんどありません。通常の角度基準の計算がそのまま使えます。
ただし日本は東西に長いのに標準時が一つ(日本標準時、東経135度基準)です。そのため同じ時刻表を全国で使うことはできません。東京と福岡では日の出・日の入りが30分近く違い、マグリブの時刻もそれだけずれます。必ず自分の都市を指定してください。
国内のモスクは団体によって採用する計算方式が分かれています。東京ジャーミイ、神戸ムスリムモスク、名古屋モスクなどが公開している時刻表を確認し、同じ方式を設定に合わせると表示が一致しやすくなります。
旅行や出張で移動したときは、到着地で位置を取り直すだけで再計算されます。金曜礼拝(ジュムア)の開始時刻はモスクごとの運用で決まるため、ズフルの時刻とは別に各モスクへ確認してください。
はい。地域ごとの一般的な基準角度とアサルの判定方式を選べます。地元のモスクの時刻に合わせて調整してください。
いいえ。時刻の計算にその場で使うだけで、保存も送信もしません。
基準角度や高度の扱い、端数の切り上げ方が異なるためです。方式を合わせると近づきます。
このツールが何を根拠に計算し、どこまで答えられるかを明示します。
緯度・経度・日付から太陽の位置をすべてブラウザ内で計算します。ズフルは太陽の南中、マグリブは日没に従い、ファジュルとイシャーはあなたが選んだ計算法(MWL・ISNA・ウンム・アルクラーなど)の薄明角で定まります。アスルはマズハブの影の長さの規則に従います — シャーフィイー派は南中の影に物体の長さ一つ分を加え、ハナフィー派は二つ分を加えます。1メートルの棒が南中に0.5メートルの影を作るなら、シャーフィイー派の規則ではアスルは影が1.5メートルになったとき、ハナフィー派では2.5メートルになったときに始まります — 午後のより遅い時刻です。