韓国の飲み会ゲーム入門|ドラマのあの遊び
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韓国ドラマの飲み会シーンに必ず出てくる遊びを、ヌンチゲーム・ワードウルフ・おでこクイズ・あとだしジャンケンの順に解説。杯の受け方などの作法と、お酒なしで回す方法まで。
韓国ドラマの飲み会シーンで、なぜ必ずゲームが始まるのか
韓国ドラマや韓国のバラエティを見ていると、食事が運ばれて一杯目が注がれた十分後には、誰かが指を五本立てているか、番号を叫んでいます。ただの余興に見えますが、役割ははっきりしています。年齢と序列で話す順番が決まる場において、ゲームだけが数分間みんなを同じ高さに並べてくれるからです。
だから道具が要りません。盤もカードも持ち込む必要がなく、必要なのはテーブルと、一文で説明できるルールと、誰も本気にしない罰だけ。この記事では、よく出てくる遊びが実際にどういうものか、その周りにある作法、そして誰と飲んでいるかによってどれを開くべきかを順に見ていきます。
ゲームより先に、注ぎ方の作法
遊びの前に、ゲームより古い作法があります。勝ち負けより、こちらのほうが場では効きます。
自分の杯は自分で注ぎません。誰かが注ぎ、自分は相手に注ぐ — 韓国のテーブルが全員のグラスの残量を見ているのはそのためです。目上の人に注いでもらうときは両手で受けるか、右手で持って左手を右腕に添えます。かなり年上の人の前で飲むときは、顔を横に向けて飲みます。飲めない場合は毎回断るのではなく最初に一度言い、瓶が回ってきたら手でグラスを覆えば十分です。
以下のゲームの罰は名目上は一杯ですが、実際はテーブルが決めた何かです。運転する人や飲まない人がいる席では別のものに差し替えれば、ゲームはそのまま成立します。最後の節で触れます。
ヌンチゲーム — 「空気を読む」がそのままゲームになったもの
ヌンチ(눈치)は、場が次に何をしようとしているかを言われる前に察する力を指す韓国語です。日本語の「空気を読む」に近いのですが、もう少し能動的で、目配りに寄っています。その名を冠したゲームのルールは二行です。順番を決めずに1から数字を叫び、同じ数字を同じ瞬間に言った人はアウト。そして最後まで一度も言えずに残った一人もアウト。
この二つが噛み合っているのが全部です。重なりだけを罰するなら黙っているのが最適解、最後の一人だけを罰するなら真っ先に叫ぶのが最適解。両方あるから「いま誰か言いそうか」という問いが残ります。
説明がいちばん短く、いちばん声が出るので、初対面の多い席の一発目に向いています。人数が足りないときはスマホ1台で、残りの席をコンピュータに任せることもできます。
ワードウルフ — 日本にもある、名前だけ違う遊び
日本で言うワードウルフが、韓国では「ライアーゲーム」と呼ばれています。骨格は同じで、全員が同じお題を受け取り、一人だけ違うもの(カテゴリだけ、あるいは何も)を見ます。順番に一言ずつお題を説明し、一周したら誰が嘘をついているか投票します。
ウルフの仕事は二つ同時です。人の発言からお題を逆算しながら、自分も知っているふうの一言を置く。両方やると普通に話すより一拍遅れ、その遅れが手がかりになります。市民のほうは裏返しの悩みで、知っている感じは出しつつ、ウルフが真似できるほど具体的には言えません。
日本の卓との違いは、韓国ではこれが飲み会の定番として回ることです。1ラウンド5〜10分とこの記事でいちばん長く、そのぶん見知った相手のほうが向いています — 決め手になるのは、その人が話を作るときの癖だからです。
おでこクイズ — バラエティ経由で広まった一本
スマホをおでこに当て、画面を外に向けます。そのお題が見えないのは自分だけで、残りの全員が説明し、制限時間内に何問当てられるかを競います。
韓国のバラエティで頻繁に出るので、国外ではまずここで目にする人が多い遊びです。面白さは当てる側ではなく説明する側にあります。時間が減るほど説明が雑になり、雑な説明のほうが正解より笑いが取れる。だからローカルルールを二つ足すと効きます — お題に含まれる文字を言わない、辞書的な同義語を使わない。この二つを止めると、説明が自然に「状況の話」に寄ります。
一瞬で終わる二本 — 時計勝負とあとだしジャンケン
「誰が払うか」「誰から始めるか」だけを決めたい場面では、5分のゲームは長すぎます。30秒で終わる遊びが要ります。
ストップウォッチゲームがいちばん単純です。各自が動いている時計を2回止め、それぞれの下1桁を掛け算して、大きい人の勝ち。足し算ではなく掛け算なので、片方が0なら点数はまるごと0になり、これは約5回に1回起きます。卓が見ているのは高得点ではなく、1回目に9を出した人が2回目に0を引く瞬間のほうです。
もう一本のあとだしジャンケンは速さの質が違います。画面が手を出して「勝て」か「負けろ」と指示しますが、印が付いた回では指示を裏返さなければなりません。じゃんけんは体に染みついているので、指示を読み終える前に勝つ手のほうが浮かんでしまい、それを取り消すのに0.2秒ほど余計にかかります。心理学ではストループ課題などと呼ばれる構造ですが、卓の上では単に自分の手が裏切ったように見えます。
どれから開くか
初対面が多い席や会社の飲み会の一発目は、ヌンチゲームです。自分のことを何も明かさずに済み、ルールは一文で、90秒ほどで沈黙が割れます。次におでこクイズへ。圧力がかかるのは説明する側なので、その場でいちばん新しい人に負担が寄りません。
すでに気心の知れた相手なら、最初からワードウルフでかまいません。決め手が「話を作るときの癖」なので、初対面の卓では効かず、長い付き合いの卓でいちばん効きます。
決めたいことがあるだけなら、ストップウォッチゲームかあとだしジャンケン、あるいは素直にサイコロを振ってください。30秒、負けが一人、そして食事に戻れます。
お酒なしで回す
ここまでの遊びに酒は要りません。罰は「枠」であって、何を入れるかは最初のラウンドの前にテーブルが決めることです。韓国でも入れ替えは日常的で、負けた人が会計を持つ、正直な質問に一つ答える、全員の水を注ぐ、といった形になります。
避けたほうがいいのは、誰かが負けた「後で」罰を決める形です。そこから強要になり、その部分こそ韓国の職場文化がこの十年で減らしてきたものです。罰を先に決め、小さくしておく。そうすれば遊びは本来の役目に戻ります — 序列の違う人たちに、数分だけ同じ高さを作ることです。